写真 +
現代において、写真を用いた表現は多様化しています。写真家や美術家達は、横断的にメディアを駆使し、双方向的に影響を与えながら表現活動を行っていることが増えています。
この授業では、「写真+(プラス)」として、彫刻、絵画、映像、インスタレーション、加えてミクストメディアと写真のあり方を、国際的な作家達の動向をご紹介しながら考えます。
※ 講座は基本的に座学形式の授業です。
Curriculum
第1回 写真+彫刻
彫刻と写真という二つのメディウムを双方向的に用いる写真家や美術家を紹介することによって、これからの彫刻と写真の関係を考えます。彫刻と写真は対照的なメディアのように見られることもあります。しかし、写真は光の彫刻であり、彫刻においても光と影(写真)や時間の概念は重要な要素です。
第2回 写真+絵画
ジグマー・ポルケ、ゲルハルト・リヒターなどをはじめとした絵画領域の作家たちの紹介とともに、ピクトリアルな表現を追求したチェコの写真家達を紹介します。写真と絵画は、その発生の時から深い関係を持ってきました。写実的な絵画表現や、ピクトリアル(絵画的)な写真があるように、時に互いに反目しあいながらも、双方向的に影響を与え合っています。
第3回 写真+映像
ビデオ作品を表現の中心としているアーティスト達を紹介します。(例: ビル・ヴィオラ、アンリ・サラなど)
デジタル技術が発達した現代では、映像と写真は外見からは明確な区別がつきにくくなっています。映像領域のアーティスの試みを紹介しながら、写真と映像の関係について考えます。
第4回 写真+インスタレーション
場所の固有性を重視した(サイト・スペシフィックな)表現領域の作家達を紹介します。写真が現代美術の文脈で扱われる時、展示空間との関係性は重要な要素です。インスタレーションを作品の最終形態とするアーティスト達の作品を紹介することで、写真の新しい可能性を考えます。
第5回 写真+ミクストメディア
写真を表現の一要素として組み込んでいる、美術作家を紹介します。
多様なメディアを複合的に用いながら空間を構成してゆくとき、逆照射的に「写真とは何か」が見えてくるかもしれません。
定員 15名(最小開講人数4人)
日程 今期の開催はありません
時間 12:30〜14:00(1時間半×全5回)
受講料 20,000円(全5回受講)
持ち物 筆記用具
講師 大坪 晶
場所 ポルトギャラリー
お申し込み
大坪 晶
2002年に京都文教大学の臨床心理学科を卒業後、2011年に東京藝術大学、先端芸術表現専攻修士課程を修 了。2013年にチェコ共和国国費留学生として、プラハ工芸美術大学(AAAD)コンセプチュアルアート学部、 写真専攻修士課程を修了。主な受賞歴に2016年 KYOTOGRAPIE KG+ public award受賞 (KYOTO ART HOSTEL kumagusuku内 ozasahayashi_project) 、2015年 Nikon Salon 三木淳賞奨励賞 、2014年 TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 審査員特別賞(後藤繁雄選)、2010年 天王寺Mio 写真奨励賞 審 査員特別賞(森村泰昌選)。2016年 大阪芸術大学 写真学科 非常勤講師、京都造形芸術大学 文芸表現学科 非常勤講師